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JESAコラム 第69回


API経済圏その3

元東海大学 片岡信弘

API経済圏その2では、API利用事例を紹介しました。今回は、API利用した速やかなサービスの立ち上げ事例と、このようなサービス同士の連係の事例を紹介します。

  1. Uber(ウーバ)のAPI利用

    欧米や中国では、タクシーを呼ぶのに極当たり前に利用されている配車アプリUberは、世界70ヵ国以上でサービスを展開しており、企業の評価額は6兆円を超えます。

    Uberは、「地図」、「通話・SMS」、「決済代行」などのAPIを組み合わせることで、顧客とタクシーの「マッチング」という自らのコア機能の開発に専念し、サービスを迅速に立ち上げることができました。

    Uberが利用しているAPIは次のものです。

    • 地図:Google Map

      Googleの地図情報としてポピラーなものであり、多くのアプリケーションでこのAPIが利用されています。

    • 決済代行:Braintree

      ネット決済代行サービスで、クレジットカード、デビットカード、PayPalなどに対応しており決済のプラットフォームとして多くのアプリケーションで利用されています。

    • 通話・SMS:twilio

      ネットや通話を簡単につなぐことができるAPIであり、多くのアプリケーションで利用されています。

      これを図1に示します。
      image1

  2. APIの提供者としてのUber

    Uberは、Uberの配車サービスをAPI化して他社がサービスとして利用できるようにしています。配車サービスを利用しているサービスの事例には、下記のものがあります。

    • OpenTable:レストランの予約
    • TripAdvisor:ホテルの予約

    レストランやホテルにスマホで上記のアプリから予約が完了した時に、表示される確認ページで「Uber をリクエスト」をタップすると、指定した場所にタクシーが迎えに来てくれるというものです。レストランやホテルの場所(行き先)はリクエスト時にタクシー側に伝えられるので、タクシーに乗った際にこれを伝える必要はありません。

    このようにシステム自体をAPI化して開放することにより、多くのサービスをつなげて利用することが可能になります。

    一方、APIを提供しているUber にとっては、より多数の人にUberのサービスを利用してもらえる利点があります。
    image1

参考文献
[1]Uber:https://www.uber.com/ja-JP/
[2] Twilio:https://twilio.kddi-web.com/
[3] Braintree:https://www.braintreepayments.com/
[4] Uber Opens Its API With 11 Launch Partners, Including OpenTable,TripAdvisor, and United Airlines:https://techcrunch.com/2014/08/20/uber-api-part-deux/M


2017/12/18